生活信条

人間の尊さにめざめ、
自分の生活も他人の生活も大切にしましょう。

ー信頼あるくらしをー

仏教では、人間はみな仏性を有し、仏さまと変らぬ本性を具えているといわれます。善人も悪人も、賢者も愚者もすべての人間は皆仏性をもっています。したがってこの肉体は仏性を入れている法体でありますから、その人格は尊厳でなければなりません。仏性は、男女、幼老、貧富、職業、国籍の区別を越えて、大小増減なく同じものであります。それゆえ人間は悉平等なのであります。このような根拠に立ってこそ、人間平等と人格の尊厳がはっきりするのであります。

したがってこの人間の尊さ(他から与えられるものでなく、本来欠けるところなく、各自が具えている)にめざめることが仏教の目的であり、私たちの願いでなければなりません。特に禅宗では、直に人心を指さして見性成仏せよと示されています。自分の尊さがわかれば、他人の尊さもわかります。やり返しのきかないこの人生、お互いに生活を大切にしたいものであります。

しかし、人間関係はまことにむずかしいものであります。『法句経』に「信頼あるは第一の親しみ」とありますように、人間関係の潤滑油は信頼であります。では「信」とは何か、それは仏性をさします。その誰でも例外なくもっている仏性をまず信じ合うことが大切であります。

人間は「なくて七くせ」といわれるように、いろいろな欠点をもっています。その人間が、おたがいに許し合う気持ちがなかったら、その関係は円満にはゆきません。それに人間はまた弱いものです。お互い力になり合う、頼み合うことが必要となります。この許し合い、頼み合うことが「信頼」であります。この「信頼」あるところに円満と平和が築かれるのであります。

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